「風鈴」の調べ、ショーアウフグース世界大会2023で世界一日本人初優勝
（映像：メ〜テレニュース）
2023年9月11日から『ショーアウフグース世界大会2023』（AUFGUSS WM 2023）がドイツで開催され、今年は16か国80組が参加しました。
その大会に挑んだのが、名古屋市のサウナ施設『ウェルビー栄』で働く『Yuma & Mayuka』黒川優磨さんと佐野まゆ香さんの二人。
黒川さんは3年前、海外のアウフグース動画に出会って一目惚れし、「アウフグースは芸術的な技を繰り出し表現するフィギュアスケート」と感じ、自ら挑戦を決意。
従業員を探す中、入社3カ月の元役者である佐野さんが加わり、『チーム黒川』が始動。
しかし、10日間の合宿で挑んだ2022年オランダ大会では9位に終わりました。
それでもショーアウフグースの本質に触れた２人は、元役者である佐野さんの豊かな表現力を生かした台本を作り上げ、2023年ドイツ大会に挑むことに…
黒川さんと佐野さんは、社長の計らいで大会用にサウナ室を再現し、練習を重ねました。
また、世界大会が迫るまで、2人は敢えてお互いを見ずに、音楽だけを頼りに振り付けを行い、動きをシンクロさせるトレーニングを積んでいました。
プログラム名『風鈴』。悲しい男女の物語をテーマにした作品、出ていく男性と、帰りを待つ女性の心情を表現したもの。
大会本番ではタオルの扱いやチームワークだけでなく、２人の表現力も評価され、黒川さんと佐野さんは、ショーアウフグース世界大会で優勝を果たしました。
この世界一は日本人初の快挙です！
優勝後、まだ信じられないという二人は、喜びを語りつつ、今後は後輩に技術を伝え、ショーアウフグースを広めることを意気込んでいます。
日本のショーアウフグースの今後の展開に注目しましょう。
アウフグース（独：Aufguss）は、ドイツ式サウナ入浴法
サウナ室内で、サウナストーンに水をかけて水蒸気を発生させ、立ち昇る蒸気をタオルなどで撹拌（かくはん）し、サウナ室内に広める。
そして、アウフギーサー（日本では熱波師とも呼ばれる）が、サウナ客に向けて熱い風を送ること。
これが、ドイツ式サウナ入浴法アウフグースです。
『ショーアウフグース』は、サウナエンターテインメント！
『アウフグース』サービスに、さまざまな要素を加えたサウナエンターテインメントにしたものが、『ショーアウフグース』と呼ばれ、
ショーアウフグースでは音楽、高度なタオルテクニック、ストーリー性が組み合わさり、タオルをジャグリングのように回し、その技術を音楽や映像とシンクロさせたエンターテイメント性の高いパフォーマンスが提供されます。
アウフギーサーと呼ばれる熱波師がショーアウフグースを行い、その独自の魅力でサウナ体験を豊かにします。
ショーアウフグースは、アウフグース世界大会（AufgussWM）へ
この『ショーアウフグース』は、2007年にイタリアの温浴施設Cron4が開催したチャンピオンシップで注目を集め、これがきっかけとなり多くの国で人気となりました。
ショーアウフグースは、12か国での国内予選を経てアウフグース世界大会（AufgussWM）へと発展し、ヨーロッパのサウナでは欠かせないコンテンツとなっています。
2022年7月には、横浜のサウナ施設スカイスパ YOKOHAMAでアジア初となる予選（AufgussChampionshipJapan2022）が開催されました。
日本でもアウフグース普及加速！
日本では、全国のアウフグース実施施設は14店舗（2006年頃）に過ぎず、普及が進みませんでした。
その主な理由は、日本で最も一般的なサウナストーブがガス遠赤外線式であり、これが水蒸気を発生させられない構造だったことが挙げられます。
しかし、ポータブル式の蒸気発生装置や対応可能なストーブの普及により、2021年には200店舗以上で、アウフグースを体験できるようになると、
このサービスは温浴施設の集客イベントとしても注目を集めました。
ショーアウフグース世界大会2023において、名古屋市のサウナ施設『ウェルビー栄』で働く黒川優磨さんと佐野まゆ香さんの2人が、プログラム「風鈴」で優勝を果たしました。
この世界一は、日本人初の快挙として歴史に刻まれ、ショーアウフグースは日本で一層の注目を集め、サウナ愛好者や興味を持つ人々にとって、新たな魅力が広がっていくでしょう。
