池畑慎之介(いけはた しんのすけ 1952年8月8日生まれ)さん、またの名をピーターさんは、日本のエンターテイメント業界において特異な存在です。
彼のキャリアは、歌手、俳優、タレントとして多岐にわたり、その中で性別の枠を超えたパフォーマンスを展開してきました。
(映像:ピーター / 奇跡のプラチナライフ ! ♡「OZIBAチャンネル」)
池畑慎之介:舞台からスターダムへ
(画像:『夜と朝のあいだに』)
池畑慎之介(いけはた しんのすけ 1952年8月8日生まれ)さんは、人間国宝の上方舞吉村流四世家元・吉村 雄輝(よしむら ゆうき 本名:橋本昇一)の長男として生まれ、幼少期から舞台に立っていました。
しかし、彼の興味は伝統的な舞踊の世界を超え、エンターテイメントの世界へと広がっていきました。
(画像:池畑慎之介オフィシャルブログ)
池畑慎之介:家出事件①中3~東京でゴーゴーボーイ~
(@oziba1952)
大阪ミナミ・宗右衛門町に生まれた池畑慎之介さん。
父親は、女形の舞手として有名な上方舞吉村流の家元で、人間国宝となった吉村雄輝。
父親は厳しく、慎之介さんに幼少期から跡継ぎとしての道を強いており、稽古中に竹の棒で打たれることも日常茶飯事でした。
父親から「跡継ぎなんやから、わての敷いたレールに乗っかったらええねん」と言われ、幼稚園にも通わず舞や長唄、常磐津の稽古を続けました。
6歳の時に両親が離婚し、慎之介さんと姉(のち大阪芸術大学教授の石川豊子)は即座に母親・清子を選んで鹿児島に移住。
母親を喜ばせたい一心で勉強に励み、名門・ラ・サール中学校(のち寮生活の息苦しさに耐えきれず、鹿児島市立城西中学校へ転校。)に入学しましたが、
都会への憧れから中学3年の秋に家出し、東京・表参道でゴーゴーバーの「ゴーゴーボーイ」として働くことに。
しかし、父親の知り合いに見つかり、1カ月後に家出生活は終了。
東京で、両親離婚後10年ぶりに父と再会し、家族会議の末に両親は復縁し、
大阪で暮らすことになりました。
しかし10年ぶりに再会した父は依然として厳しく、慎之介さんに毎日の稽古を強いる…
池畑慎之介:家出事件②高1~『ピーター』誕生~
慎之介少年は桃山学院高等学校進学から数カ月後の1968年夏、再び父への反発から家出し、東京を目指しました。
前回と同じ店から始め、複数の店で働く売れっ子ゴーゴーボーイとなり、中性的な美少年として「ピーター・パンみたい」と噂され、「ピーター」と呼ばれるようになりました。
同年12月のクリスマスパーティで踊っていた際、舞台美術家の朝倉摂から
「映画に出てみないかい?」と声をかけられ、アイドルスター「ピーター」としての道が開かれました。
翌1969年、映画『薔薇の葬列』でゲイバーの美少年役を演じ話題をさらい、
デビュー曲『夜と朝のあいだに』でレコード大賞最優秀新人賞を獲得します。
池畑慎之介:性別の枠を超えて
(画像:ITmedia)
池畑慎之介さんは、性別を変えたわけではありませんが、彼のパフォーマンスはしばしば性別の境界を曖昧にしてきました。
彼は、男性が女性を演じる「女舞」の役者の家系に生まれたことから、3歳からおしろいを塗って舞台に立っていたため、役者として女役を演じることには全く抵抗がなかったとされています。
俳優としては女性役や女装男性役、女性的な特徴を持つ男性役が多いが、凛々しい男性役も見事に演じることができ、幅広い役柄に対応します。
池畑慎之介:芸名「ピーター」から本名へ
(画像:糸島新聞)
1985年ごろから、役者として出演する際は男役女役にかかわらず本名を用いるようになり、2018年をもって芸名『ピーター』を卒業しました。
愛称「ピー」としても親しまれていますが、彼のアイデンティティは常に一貫していました。
2018年5月21日 池畑慎之介さんは、2019年からの休養と『ピーター』名義の卒業を発表しました。
2018年で芸能活動50周年を迎える池畑さんは、来年から1〜2年の休養期間を取り、本名の『池畑慎之介』に統一することを宣言しました。
彼は『ピーター』としての50年に感謝し、今後はヨーロッパ旅行や英語の再勉強など、自由な時間を過ごす予定と述べています。
また、「普通のオジサンに戻りたい」との希望も表明しました。
池畑慎之介:断捨離と新たな始まり
(画像:女性自身)
東日本大震災をきっかけに、「物を持つことの虚無感」と向き合い、断捨離を始めた池畑さん。
断捨離では自宅の処分や交友関係の見直しを行ったが、それは人生の終活ではなく“始まり”と前向きに捉えている。
「老いても元気に生きるためのエネルギーを蓄えている感じです。物理的にも精神的にも余裕が生まれ、一度リセットして、今とは異なる人生を歩むのも有意義だと感じるきっかけとなりました」
新たな人生の章を開き、芸能活動を続けながらも、内面の平和と調和を求める旅を続けています。