今回は、1970年代から1980年代にかけて活躍した日本初のアクション女優であり、現在はフラワーアーティストとしても活躍する志穂美悦子さんが演じた『ビジンダー』について書きます。
(画像:amazon.jp)
志穂美悦子・ビジンダー:時代を超えたヒロイン
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ビジンダー、その名は1973年の特撮テレビドラマ『キカイダー01』から生まれた。
人間態のマリとして親しまれ、演じたのは当時高校生だった志穂美悦子(しほみ えつこ、1955年10月29日生まれ)さん。
彼女の演技とビジンダーのキャラクターは、多くのファンに愛され続けています。
『ビジンダー』は『キカイダー01』の第30話『悪魔? 天使? ビジンダー出現!!』から登場するシャドウの人造人間。
01の性格を分析して作られ、驚くほど頑強。
イチローの思いから良心回路を搭載され、悪の命令にも逆らうように。
背中の小型ハープを武器に、ビジンダーレザーなどの必殺技を持ち、空飛ぶ円盤や空中戦艦を破壊する力を持つ。
※1 マリはビジンダーの人間態で、ビジンダーとは異なる人格を持つ。
良心回路を搭載される前から女性らしい慈愛の心を持ち、人間とロボットの葛藤に苦しむ。
寒さに弱く、寒い冬に一晩外にいると止まってしまう。
※2 シャドウは謎の怪人ビッグシャドウ率いるアンドロイドの犯罪組織。
世界征服を目論む彼らは手段を選ばず、ロボット軍団を主力とし、月面基地まで保有する巨大組織。
※3 イチローは『キカイダー01』の人間態。
ジーンズに赤いジャケット、青いヘルメットがトレードマーク。
悪を追いかけ、高所から独特のメロディーを奏でながら戦う正義の戦士。
女子供には弱く、迷いもあるが、弱者を守るために闘う。
志穂美悦子:ビジンダー役で輝く
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JAC主宰の千葉真一さんによれば、志穂美悦子さんは最初、JACの入所オーディションで他の審査員から低い評価を受け、落選したそうです。
「でも僕は彼女に満点をつけたんだ。悦ちゃんには“華”があったんだ。指導次第で、素晴らしい女優になると思った」と。
志穂美悦子さんがマリ役を務めた際、彼女は当時JACの新鋭であり、JAC主宰の千葉真一の要望で起用された。
初登場回の第30話では、千葉自らが志穂美の殺陣指導を行った。
ビジンダー役の撮影が始まった当時、志穂美さんは17歳。
高校生としての撮影は大変で、毎日必死だったと振り返る。
「衣装を見て、『こんなミニスカートで立ち回りをするの?』と驚いたことを覚えています」と笑う。
ビジンダー:マリの人間らしい魅力と…♡
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ビジンダーの魅力は、その独特なデザインとキャラクターにあります。
赤いハート形の頭部や金色の胸から放たれるレーザーは、特撮ファンにとって忘れられないイメージです。
また、マリはビジンダーの人間態であり、彼女は01を罠にはめるために作られました。
しかしマリとしての人格はビジンダーとはやや異なり、良心回路を搭載する以前から女性らしい慈愛の心を持っていた。
彼女は人間とロボットの葛藤に苦しみ、時に人間の男性から好意を持たれて悩む…
さらに、マリの胸には小型水爆が内蔵され、ブラウスの第3ボタンを外すと起爆装置が作動する。
誤爆を防ぐための安全装置もあり、シャドウ基地から遠隔操作できるようになっている。
周囲の人間に「胸を緩めて」と頼むよう仕組まれた行動を促すため、体内には激痛回路が設置されていた。
このシーンは、脚本家の長坂秀佳が「大人向けのアイデア」として考えていたものでした。
志穂美さんの演技はなまめかしく、子供ながらTVの前でドキドキしていました。
ビジンダーの影響
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ビジンダーは、後の多くの特撮作品に影響を与えました。
強く、美しく、そして悲しいバックストーリーを持つヒロインは、現在の作品にも見ることができるテーマです。